2009年5月6日水曜日

H.248(Megaco): 第01回 MegacoとMGCPとH.248

MGを操作するプロトコルには、Megaco、MGCP、H.248があります。ややこしいので最初に整理しておきます。下図はMegaco、MGCP、H.248の発生と変遷を表したものです。

上記の中のMegacoとMGCPは、RFC2805で定義されている「Media Gateway Control Protocol Architecture」という要求事項を実装したプロトコルです。先にMGCPができて、あとからMegacoができました。そのため、Megacoの方をより正式なものにしようという動きが強いです(MGCPは標準ではなく情報文書(Informational)です。IP電話用語集参照)。

MGを操作するプロトコルとしてMegacoを標準化させようとする一方で、Megacoの管轄が、もともと音頭を取っていたIETFから(なぜか)ITU-Tに移されます。これにより、IETFはMegacoからは手を引き、ITU-Tが音頭を取ってITU-TのHシリーズの仕様としてH.248が誕生しました。

結論から言えば、このH.248という言葉だけ覚えておけばいいわけですが、H.248ができたのが2005年頃(Megacoを廃止したRFC5125が2008年)のため、未だにMegacoという呼び方が生き残っています。

こうしてできたMegaco改めH.248ですが、基本的な仕様はH.248.1で規定され、その他の細々した仕様はH.248.xxと言ったサブ番号で定義されています。例として、NAPTトラバース機能はH.248.37で定義されています。

今後は基本的にH.248という言葉に統一するようにしますが、この連載名は親しみやすいように(!?)Megacoというタイトルを付けています。

なお、今後はもうMGCPは出てきません。標準でも何でもないものを扱うつもりはありません。

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